公開日:2022.1.20

身寄りがない人が亡くなった場合、どうしたらいいの?

高齢化社会の日本において、独り身の高齢者は少なくありません。

もし、身寄りのない方が亡くなった場合、葬儀や納骨はどうなるのでしょうか。

今回は、身寄りのない方が亡くなった場合、誰がどうやって葬儀や納骨を行ってくれるのか、その費用はどうするのかといった疑問を解消します。

身寄りがない人が亡くなった場合、葬儀はどうなる?

亡くなった方に家族や親戚などの身寄りがなく、葬儀をあげてくれる人が身近にいない場合は、役所はまず戸籍から親族を探してご遺体の引き取りや火葬を依頼します。

故人の近隣住人や入居施設が葬儀を引き受けてくれる場合もあります。

     

故人に親族が一切いなかったり、ご遺体の引き取りを拒否されてしまった場合には、自治体がご遺体を引き取り、法律に基づいて火葬・埋葬を行います。

自治体が火葬や埋葬を行う場合、法律に基づいた最低限の簡素な火葬(直葬)となります。

葬儀費用はどうなる?

自治体が火葬・埋葬を行う場合、葬儀費用はいったん自治体が立て替え、故人に財産があればそれを充当します。
故人に財産がない場合は、自治体が支払うことになります。
 
しかし、今までほとんど付き合いのなかった親戚の葬儀を依頼され、自分や故人に預金や財産がほとんどなかった場合は困ってしまいます、、
葬儀や埋葬の費用がない場合には以下のような給付制度もありますので、利用を検討してみましょう。

   

葬祭費補助金制度

故人が国民健康保険や社会保険・共済組合の加入者であれば、葬儀や埋葬を行う方に葬儀・埋葬費用が支給される制度です。

加入先によって名称や支給額が違い、葬祭費は葬儀終了後に各市区町村や加入先に申請をする事で支給されます。
支給金額を葬儀費用に充てることによって費用の軽減にも繋がりますので、忘れずに申請を行うようにしましょう。

(自治体により、支給条件や支給額が異なる場合があるので、各自治体にご確認ください。)

葬祭扶助制度

自治体が火葬・埋葬を行うための最低限の金額を支給する制度です。

下記の場合が対象です。

・生活保護を受けていた方が亡くなり、遺族・親族以外の方が葬儀をする場合

・生活保護を受けていた方が亡くなり、遺族・親族が葬儀をするが、葬儀を行う自身も生活保護を受けているなど葬儀費用が捻出できない場合

支給される金額は自治体によって異なりますが、最低限の金額の支給となるので、火葬と埋葬のみの形になるのが一般的です。

納骨はどうなるの?

遺骨や遺品の管理をする人がいない場合は、自治体が一定期間管理をします。

自治体ごとに決められた期間(5年程度)保管を行い、その後は身寄りのない人の遺骨を合同埋葬する「合葬墓」に納骨されます。

複数の遺骨をまとめて埋葬するので、合葬墓への納骨後に遺族が現れたとしても遺骨を取り出すことはできません。

生前にできることは?心配な方は準備を

現在身寄りがなく一人暮らしをされている方で、死後の葬儀やお墓について心配をされている方は、ぜひ生前に準備をしておきましょう。
生前に葬儀やお墓の準備をされるのは、現代では決して珍しいことではありません。

元気なうちに以下のような準備を進めておきましょう。

  

葬儀会社に事前相談をする

生前に要望を確認し相談しておくことで、葬儀や費用に対する不安や悩みを取り除くことができます。
呼んで欲しい友人や行ってほしい演出、葬儀で流してほしい音楽など、事前に決めておくことで希望の演出や形式を葬儀に反映させることができます。
 
納骨・埋葬に関しても、最近では一般墓だけでなく、納骨堂や散骨、樹木葬などお墓の種類や形態も多様化してきています。

    

お墓の種類についてはこちらでも詳しくご紹介していますので、ご参考ください。

お墓の種類とそれぞれの特徴
 
元気なうちに相談をして、自分の希望の葬儀の形を探してみましょう。

     

司法書士や行政書士に見守りや死後のことをお願いする契約を結んでおく

故人の死後に通常遺族や親族が行う必要がある各種手続きや、遺産や遺品の整理などを第三者に代行してもらう契約を司法書士や行政書士の専門家と結んでおくと安心です。

あらかじめ、死後の各種手続き等をするよう依頼しておけば、葬儀や納骨・住んでいた家の遺品整理等も依頼された人が行う事ができます。

        

遺言書で財産や遺品の処分方法を遺しておく

身寄りのない人の財産や遺産のうち、葬儀費用充当分の残りは国のものとなります。
お世話になった人や、縁のあった施設や団体へ寄付をしたいと考える方は遺言書でその遺志を残しておきましょう。

      

まとめ

・身寄りのない人が亡くなった場合、行政は戸籍などをたどって親族を探し、ご遺体の引き取りと葬儀・埋葬を依頼します。身寄りが全くない人、ご遺体や遺骨の引き取りを断られた場合などは自治体が火葬を行い、一定期間保管した後に合葬墓へ合同で埋葬します。 

・火葬・埋葬費用は、故人に財産があればそこから充当されますが、全くない・足りない場合は自治体が負担します。親族や知人が葬儀を行う場合には葬祭費補助金制度や葬祭扶助制度を利用できる場合もあります。

・身寄りがない人で死後の葬儀や埋葬について心配がある方は、生前に葬儀会社に相談してみましょう。また、エンディングノートや遺言書で遺志を残したり、司法書士や行政書士と見守りや死後のことをお願いする契約を結び、死後の手続きなどを行ってくれる人を確保しておきましょう。

    

エンディングノートの書き方ついてはこちらで詳しくご紹介しています。

エンディングノートを書く時のポイント

   


京王メモリアルでは葬儀の事前相談を受け付けています。また、司法書士や行政書士、遺品整理業者等の専門家と連携してサポートすることもできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

    
元気なうちに相談をして、自分の希望に合った葬儀や埋葬の形を準備しておきましょう。